葬儀・告別式のマナー|お悔やみ(不祝儀)の基本
お悔やみの場では、宗教や慣習によりマナーが異なるため、もっとも注意が必要です。一般的に、お通夜や葬儀・告別式に持参する金品を「香典」と呼びます。このページでは、香典の基礎知識やマナー、服装、ビジネスでの対応方法まで、知っておくべきポイントをご紹介します。
香典とは
香典は、お線香・抹香・供花の代わりとして、故人の霊前にお供えする金品です。また、遺族の急な出費を支援する意味も含まれています。香典はお通夜または葬儀・告別式のいずれかに持参します。
使用する香典袋(のし袋)は宗教により異なります。たとえば、蓮の花が描かれた袋は仏教専用です。宗教が不明な場合は「御霊前」と表書きされたものを選ぶのが無難です(※仏教・神道・キリスト教など、多くの宗教で使用可能)。
香典のマナー
香典の表書きや包み方には宗教ごとのマナーがあります。参列できず郵送する場合は、弔電に加え、現金書留で香典を送り、お悔やみの手紙を添えることで、より丁寧な印象を与えられます。
- ・香典袋の下段にはフルネームを記載します。
- ・夫婦で参列する場合は、原則として夫の名前のみで構いません。故人との関係が深ければ連名でも可。
- ・代理で参列する場合は「○○○○代」と書き、「代」は小さく添えましょう。名刺があれば右上に「弔」と書き、左下に「上司の代理として参列いたします。○○○○」と一筆添えて受付に渡します。
- ・香典に新札は使用しません。事前に準備していた印象を与えないよう、軽く折り目を付けたものを使うのが通例です。
お通夜では平服でも問題ありませんが、落ち着いた色味を選びましょう。葬儀・告別式では以下のような装いが基本です。
- 男性:黒の礼服が基本。会社関係での参列時はダークスーツも可。ネクタイは黒、ワイシャツは白でボタンダウンは避け、光る装飾(時計・ピン類)は外します。
- 女性:露出の少ない黒の服が望ましく、バッグや靴、ストッキングも黒で統一を。アクセサリーは一連のパールが適切です。ネイルは落として参列しましょう。
Q&A|葬儀での対応マナー
- 故人の意向で葬儀が行われない場合は?
- 近年は家族葬や直葬が増えています。弔問や香典辞退の意思がある場合は、それに従うのがマナーです。気持ちを伝えたいときは、お悔やみの手紙を送るのもよい方法です。
- 葬儀後に訃報を知った場合は?
- 仏式なら四十九日までは自宅の祭壇に遺骨が安置されていることが多いため、訪問して焼香を。過ぎている場合は、供花や菓子などを添え、励ましの言葉を伝えましょう。
- 通夜や葬儀に参列できない場合は?
- 前日までに弔電を打ち、初七日までに香典と手紙を郵送しましょう。また、都合がつき次第、あらためて弔問に伺うのが望ましいです。
ビジネスにおけるお悔やみの対応
訃報を受けたら、まずは丁寧にお悔やみを伝え、日程の確認を。親族や親しい関係であれば早めに弔問を。仕事関係の場合は通夜への参列が一般的ですが、可能であれば告別式への参列が望まれます。
取引先関係の訃報では、企業として弔電を送ることが一般的です。弔電はお通夜当日または告別式の前までに届くよう、余裕を持って手配しましょう。
弔電における言葉選びの注意点
弔電には、以下のような表現は避けましょう。特にオリジナルメッセージを送る場合は注意が必要です。
■ 忌み言葉(繰り返しや連想を招く言葉)
例:しばしば、たびたび、またまた、重ね重ね、再び、次々、続いて、ますます など